振り回し女。

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「俺前にバンド本気でやってたんだ~」 そぅっすか。歌上手いっすもんね。 あれから一時間 一人で歌い続けたァタシはメロンソーダを運んできてくれたカラオケ屋のお兄さんに…マイクを奪われていた。 「働かなくていいの?」 素朴な疑問だよ。 「あ~俺6時で上がりだったから♪」 「あぁ。」 ズズーッ! 本日、このカラオケ店員当時流行りのロン毛昔バンドイケメン男(21)カラ頂いた3杯目のメロンソーダをとりあえず飲み干した。 「りぃちゃんは彼氏いるの?」 「いまひぇん。」 ストロー加えたまんま上目遣いで答える。 いまひぇんってゆぅか、元カレがランの今カレみたいな。 それはまたごちゃごちゃしてるから省こ。 「よく一緒に来てる子、あっ今日も一緒に来てた子帰ったの?」 「わかんなぃ。」 「もぅ時間終わりでしょ?送ってくよ♪」  くそぅ…爽やかな笑顔しやがって。 疑う事を知らなかった当時高校2⃣年生のァタシ。 ちゃっかりカラオケ代もチャラにしてもらって、カラオケ店員当時流行りのロン毛昔バンドイケメン男(21)のバンの助手席に乗り込んだ。 束縛時代の幕が上がる。
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