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「ちょっと出掛けるか」
そう言って、シンが身支度を始めた
「ダメだよ
出掛ける様な格好で来て無いもん」
「そんな大したとこには行かないよ
裸で行く訳じゃないんだから、気にしなくていいさ」
そう笑いながら言うシンに
普通のTシャツと、着古したジーンズという服装の琉璃は
仕方なく同意した
近くの店で、ちょっと早めのランチを食べ
車に乗り込み、出掛けて行った
着いた先は、ジーンズショップ
シンが、洋服やジーンズを物色している間
琉璃も、ブラブラと見て回っていた
一見、レザーに見える
濃い茶色のジーンズを見つけた
サイズを見て、自分のサイズの物がある事を確認
が、値段を見て苦笑いした
ちょっと手の出る値段では無かった
心の中で
欲しいけどな・・・
と、つぶやきながら
諦めて棚に戻した
さらにブラブラして、今着ているTシャツを着替えようと
ニットの服を手に取り、レジへ向った
「着替えたいので」
と、店員に告げ
支払いをして
フィッティングルームを使う事を告げ
着替えをした
出て来ると、入り口近くで
シンが買物を済ませて、待っていた
手には、袋を二つ持っていた
そのうちの1つを、琉璃に手渡す
「何?」
「お前、来週誕生日だろ?」
その言葉に
涙が出そうになった
覚えててくれた
その事だけで、嬉しかった
袋の中身は
さっき、琉璃が買うのを諦めたジーンズが入っていた
「これ・・・」
「欲しかったんじゃないのか?」
「うん 買いたかったけど
高くて・・・
いいの??
貰っても??」
「俺には履けないからな」
「ありがとう!
メチャクチャ嬉しいっ」
本当に泣きそうになった
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