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「もう・・・
アタシは、シンの事を好きでなくなる事にした」
シンの匂いのするベッドの中で
その温もりを感じながら
その感触を愛しいと感じながら
琉璃は言うべき言葉を言った
その言葉に、起きているはずの
眠っていないはずのシンは無言だった
「聞いてる??」
「聞いてるよ」
シンに、他の女の影がある事に琉璃は気付いていた
琉璃とほぼ変わらない理由で
シンも、他の女性と付き合う事をしようとしていた
その事に勘付いた時は
死んでしまいたくなる位に
ショックだった
「付き合おうとしてる子が居るんでしょ?」
琉璃が勘付いている事も、何となく判っていた
「ああ」
「その子と・・・
付き合ってるの??」
「まだ付き合ってる訳じゃない」
「でも・・・
アタシとこうやってSEXしながら
その子ともしてるんだよね?」
「・・・ああ
そうだな・・・」
「酷いよね・・・」
「酷い・・・な」
お互いの言葉は、とても淡々としていて
責めるでなく、後悔するでなく
事実を語っているだけだった
「だからね
アタシは、もうシンを好きでなくなろうと思うの」
静かに
冷静な口調で話す琉璃
そんな琉璃の言葉を
何も言わずに聞いていた
そして
琉璃よりも、さらに静かな声で
「でも
お前は、俺以外のヤツを
俺以上に好きになる事は無い」
そう、シンが言った
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