訣別

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シンの言葉に、琉璃は呆気に取られた 図星だと、今は思う でも、先の事なんて判らない 「そんな事、わかんないじゃないっ 今までだって、好きな人は居たし これからだって、好きな人くらい出来るわよっ」 「出来たとしても 俺より好きになれる男は出来ないね」 「何よっ 自意識過剰なんじゃないの?」 シンの自信というか その言葉に、素直に頷く事など出来るはずは無い 琉璃との時間は、シンにとっては とても居心地が良く その状況を、甘んじて受け入れていた ここ暫くの二人は 喧嘩や、言い合いを避けていた 行き違いや、言い争いは 関係を終息させるきっかけとなるからだ それがお互いに判っていたから 気に入らない事があっても 口に出さず、心に納めた けれど、そんな関係は 建設的でも、前向きでも無い 恋人同士としては、致命的な関係だ だけれども、そうする事で 現実から目を逸らし 互いを互いの近くに置く事を、良しとしたのだ いつかは終らせるべき関係 それを、二人は判っていながら 先延ばしにしていた 「アタシは・・・ 他に人を好きになる で、シンへの気持ちを消す事にしたんだ」 「消せるなら消せばいいだろ」
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