訣別

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   そうか そんな言葉じゃなく    離れて行くな と、言って欲しかった 言ってくれない事は、判っていたけれど 飛び出して行っても 追い掛けて来てはくれない 引き止めて欲しくても 決して、引き止めてはくれない そんな男性だ それは、琉璃が一番良く知っていた 自分から離れて行かなければ このままの関係は 何時まで続くか判らない 今度 「もう会わない」 と、言われてしまえば もう立ち直る自信は 琉璃には、無かった もう 追い掛けて来ない男性でも 追い掛けて来てくれる様に 期待する事も出来ない そう、望む事も叶わない 琉璃から、シンに告げる 最後の言葉だった 「じゃあね もう、帰る    さよなら シン」 「そうだな 気をつけてな    さよなら 琉璃」
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