プロローグ

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「あっ・・・」 「何だ?どうした?」 片付けをしている琉璃が 「ん?ちょっとね➰➰」 そう言った 子供達が、出て行き この際だからと、押入れやクローゼットを片付けていたのだ 「何だよ?気になるだろ?」 「見つけたのよ     貴重なもの」 座り込んでいる琉璃の肩越しに、シンが覗き込んだ 「何だ?それ」 「憶えて無いの? シンから貰ったプレゼント」 「そうだっけ?」 「そうよ 最低だよね 憶えて無いなんて」 琉璃が手に持っているのは、コインだった 「あたしが、シンと付き合い始めて 最初のプレゼント プレゼントって程の物じゃないけど、それでも凄く嬉しかったプレゼント」 「俺、そんな物 あげたのか? 最低だな(笑)」 「そう、最低(笑)」 琉璃の脳裏に、初めて出会った時の事 それからの事が思い出された いっぱい泣いて いっぱい怒って 必死になって 一所懸命に、シンを愛した そんな昔の自分 今だからこそ言える 今だからこそ判る 全てが、今の為にあったのだと それでも 若かった自分は そんな事、思いもしなかったと
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