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「やっぱ、憶えてないか」
この、ぶっきらぼうなものの言い方
これにはハッキリと憶えがある気がしたが、それは言わなかった
「はい・・・」
「送れって喜一に言われてさ
ところが、家の鍵が無いって言い出すわ
歩けないって言い出すわ・・・
仕方なくここに連れて来たんだよ
服脱ぐか聞いたら
脱がせろっつうし
そのままベッドを占領するし」
そう言いながら、マグカップを琉璃に手渡す
「お陰で俺は、狭いソファで眠らせて貰ったよ」
目つきが冷たい
話す言葉は淡々として
いかにも迷惑だと言っているのが判る
「ごめんなさい・・・
あの
迷惑ついでにお願いがあって」
「何?」
「シャワー使わせてもらえます?」
シンは、迷惑を通り過ぎて
呆れてしまった
思わず笑がこみあげて来た
「いいよ(笑)
Tシャツ使う?」
「・・・はい」
「じゃぁ、これ」
そう言って、棚からTシャツを1枚取り出し
琉璃に手渡す
「バスルームは、出て左だから」
コーヒーを飲んで
「じゃぁ・・・」
そう言って、バスルームに向った
「いい身体してるよな」
バスルームに向う琉璃の後姿を見て
シンが言った
琉璃はまだ服を着ないままだったからだ
バスルームに入り、シャワーをひねり
熱めのお湯を全身に浴びた
「はぁぁ・・・」
馬鹿やっちゃったな・・・
呑みすぎたとは言っても
それでも
馬鹿な事したぁ
それにしても
イイ男❤
けど・・・
呆れてるだろうから
可能性は無い・・・な・・・
シンから借りたTシャツは
男臭くて、大きかった
ちょっと
どうにかして、誘惑してみい
そんな気持ちが、琉璃の中にあった
醜態を晒したんだから
これ以上隠す事も無い
この際だ
トライしてみる価値はあるよ
そう、琉璃は考えた
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