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チュンチュン…
窓から射す陽の眩しさで目が覚めた。
「もう朝かー…
学校、行きたくねぇなぁ」
こんなにいい天気なのに、
俺の心の中はどしゃ降りの雨のようだ。
それなのに階下からは、
『澪ー起きなさぁい!学校遅れるわよー』
能天気な母親の声。
AM8:05
時計を横目で見ると、
時刻はとっくに8時を回っていた。
「どっちにしたって遅刻じゃねーか…」
のろのろと起き上がり制服を着る。
下に降りると笑顔の母、
そして出来立ての朝食。
「おはよ、澪!ご飯出来てるからね。
あ、ちゃんと歯磨きするのよ?」
はいはい、その返事に拳骨が飛んできた。
「はいは一回!」
「はいは…じゃなかった、はい!」
よろしい。
満足げに笑った母はそのまま洗濯に向かった。
母は知らない。
俺が学校でいじめにあっていること。
聞かれても教えない。
母の笑顔は俺が守るんだ。
「行ってきまーす!」
庭で洗濯物を干しているであろう母に声をかけると、
後ろから小さく見送りの言葉が聞こえた。
正直鬱だ。
今までに何度死を考えただろう?
…家を出たら、正に地獄の始まりと言える。
でも。
母の笑顔を消さない為に、
頑張らなきゃいけないんだ…!
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