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遅刻して学校に来た俺に、
早速嫌がらせの嵐が襲った。
落書き、上履き隠しは当たり前。
座る椅子には画鋲…
(いつの時代のヤンキーだ…)
深く溜め息を着いた俺に
横から足を突きだして来た奴がいた。
(そう毎日毎日引っ掛かってたまるかよ)
ひょい、と避けると舌打ちされた。
「お前調子乗ってんじゃねーぞ!」
腹に蹴りが入った。
これもいつもの事だが、慣れない。
痛さに蹲る俺に、更に蹴りが浴びせられた。
腹、太もも、脛。
夏服に隠れて見えない所だけを
執拗に蹴られ、殴られる。
じっと耐えていると、
廊下から俺を呼ぶ先生の声が聞こえた。
「大宮!大宮は来てるかー?」
ガラガラッ
「はい、遅れてすみません…」
「お前なぁ…今年は高校の受験だぞ?
授業は真面目に受けてるが…」
これもいつもの事。
そう、いつもの…
放課後、いつも通り帰る仕度をしていると
慌てた様子の担任が教室に入って来た。
「大宮!急いで帰る仕度をして職員室に来なさい!」
バタバタと来た道を戻る教師にポカンとしながら、
言われた通りに職員室へ向かった。
「……失礼します」
扉を開けて中に入ると、
担任が何やら慌ただしげに
出掛ける用意をしていた。
「あのー…先生?」
「話は移動しながらしよう。」
移動ってどこに、と質問したかったが
そんな暇はないようだった。
駐車場に停めてあった車に乗り込んだ俺は、
そこで衝撃的な事実を知らされる事になる。
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