1人が本棚に入れています
本棚に追加
「……儂が悪魔だと言ったら
…信じるか?」
いきなり何を言い出すんだ
この人は。
大体髪も緑だし若そうなのに
自分の事儂って…
「どうやら信じておらんようだな。
まぁいい、見ておけ。
……それと、儂は3000年を生きておる」
有り得ないだろ、そう言おうとした
口からは空気が洩れただけだった。
喋っているはずなのに、音が出ない。
その事実に戸惑っていると
目の前で、その男の背に
飛膜の翼が“生えた”
「……!………!?」
やっぱり声が出ない。
一体どうなってんだ!
「これで信じるか?小僧。」
(実際に見たら信じるしかないだろ、)
頷くと悪魔は翼を引っ込め
クッションを下敷きにし、座った。
「…で?悪魔が一体何の用だ」
「単刀直入に言おう。
儂と契約する気はないか?」
悪魔と契約……
「その前にあんた、名前は?」
目の前の悪魔が僅かに動揺した。
明らかに忘れてましたって顔して
見つめる俺の視線に気付いたのか
軽く咳払いをして。
「ゴホン、儂は鬼夜だ」
「キヨ…鬼夜。分かった。
で、契約の話だけど…」
オカルトは信じない主義だが
実際目の前に現れれば話は別だ。
それに契約って一体……
「あ、俺の名前は澪。
大宮澪だ。よろしくな」
「あぁ、澪。よろしく頼む」
とりあえず握手をして話を聞いた。
要は俺の魂と引き換えに願いを
叶えてくれるらしい。
しかも、母さんと同じとこに
逝かせてくれる…
願ってもない。
一段落したところで一階に降り
鬼夜をリビングに案内した。
最初のコメントを投稿しよう!