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「なんか面白い事ねぇかなぁ~」
人間界に下りてきて3日目。
金髪に淡いブルーの瞳、
黒いジャケット、レザーパンツにブーツ、
おまけのシルバーアクセ
という格好の悪魔は、
人に紛れて夜の街を歩いていた。
事故を起こしてみたり、
人を唆して強盗させたり、
“些細な”悪戯は一通りした。
それでもまだ退屈だと溜め息を吐く。
「…お?」
弱々しい、もう永くない命が
願う声が聞こえた。
「これは…
契約してくれそうな奴、発見!!」
バサリ、夜闇に紛れて
飛膜の翼を広げ、飛び立った。
~♪~~♪
透き通る歌声が聞こえる。
空中で停止し、願う声のいる部屋を
見据え、窓枠に手を掛けた。
「この部屋だな…よっと」
鍵を開けて部屋に入ると、
其処には驚いた顔が一つ。
「きゃ…むぐ!」
「しぃー!!OK?」
こくこくと頷くのを確認して
言葉の戒めを解く。
すると真っ先に質問が飛んできた。
「貴方誰!?っというかここ5階よ!!」
どうやって入ったの!?
「その質問の答えは一つ。
俺、悪魔だもん」
ニカッと笑うと、
盛大な溜め息が聞こえた。
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