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金髪の悪魔と契約した翌日。
今日は母がお見舞いに来てくれていた。
ルークは、というと…
『ベロベロバー』
姿を消しているのを良いことに、
母に向かって変顔三昧。
…見ているこっちが笑ってしまいそうだ。
(ちょっとルーク!やめてよ!
姿見えないのに笑ったら
私が可笑しい人みたいじゃない!)
(いーじゃん!俺する事ないんだぜ?)
契約してから使えるようになった
テレパシーで会話をすれば
ルークが文句を垂れる。
もうダメ、吹き出す…というとき、
母が用事を思い出して帰っていった。
「はぁ、助かった…って、
まさか…?」
この悪魔の仕業かと
ルークを見ると、ウインクが返ってきた。
途端、さっきの変顔が頭を過り、
――もうダメだ、
人生始まって以来初めての爆笑をした。
「なー、まだ願い決まんねぇの?」
俺は優の願う声を聞いて来たんだけど、
と、悪魔は首を傾げ視線を送った。
「あ、心配しなくても魂取るのは
願い叶えてすぐじゃねぇよ?」
―違う、そんな事じゃない。
ケラケラ笑うルークを一瞥して俯いた。
そんな優の異常を感じとり笑うのを止める。
「だって、」
「だって、ルークに会えなくなっちゃう」
どうせ死ぬんだから一緒なのにね、
自嘲気味に笑う優の頭に手を乗せる。
「だったら、寿命延ばしてって
願えばいいじゃねぇか」
それは嫌、と頭を振る。
ちょっと考えて優はフッと笑った。
「…ルークって変だよね」
「なっ!?」
変って…
本気で凹む金髪の悪魔に、
だってそうでしょ?と続けた。
「悪魔の癖にさっきみたいな事言うし。
悪魔なのに悪魔らしくないじゃない?
なんていうかこう…
もっとクールなイメージだった」
言い終わると次はルークが笑った。
「んー、確かに!
あ、でもクールな奴もいるぜ?
種類も多いしな!」
へー、
相槌を打ちながら、優は
もう既に決まっている願いを考えていた。
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