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「さて…手短に仕込みを…と」
背負った荷を置き
通された部屋をぐるりと
見回す九十九尾
壁や棚には高価そうな
掛け軸や香炉が置かれている
少しそれらを眺める九十九尾
「ふ~ん…流石は女性城主様
上杉謙信とは違い
掛け軸や香炉にも
女性らしさの気品があるな…
と、まずい!客を
待たせてるんだった!
ん~…コレとコレを
こうしてっと…良し!出来た」
仕込みも終わり
荷を背負う九十九尾…
「ん?あ…そうか…
策夜ってのが確か
『畳を三回叩いて』って
言ってたな…」
トン、トン、トン
座ったまま軽く畳を叩く
しかし待っても障子越しに
人影は映らない…
「気付かなかったのか?」
と、その時である
不意に天井の板が一枚外れ
策夜がヒョコッと逆さに
顔を覗かせる
「終わったかしら?」
「うおっ!天井から!」
この不意の策夜に驚く九十九尾
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