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九十九尾は少女の言葉に
ニヤリと笑うと
大勢の観客を前にし…
「さあさあ、寄ってらっしゃい
見てらっしゃい!!
見せ物屋『奇々怪々』だよ!」
九十九尾の声は
町の人の行き足を止めた
「ん?何だ、何だ?」
「見せ物屋ですって…」
「見た事無い見せ物屋だねぇ」
九十九尾を囲む人だかりは
少しずつ増えていく…
それは人ばかりでは無い
色んな妖怪、幽霊など
さながら摩訶不思議なのは
目の前の光景だろう
「お見せするのは
摩訶不思議な『手品』!
さて、そこのお嬢ちゃん
手伝ってくれるかな?」
「うん!」
先程、九十九尾に
声を掛けた少女が前に出る
「先ずは肩慣らしだ
此処に取り出しましたる
三本の桜の枝…」
九十九尾の手には
まだ蕾の状態の桜の枝が三本
それを少女に渡し…
「さあさあご覧あれ!
少女に渡したこの桜の枝
蕾の状態では味気ない!
そこで皆様の目の前にて
この桜、見事咲かせて
見せましょう!」
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