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「いくぜ…3.2.1…はっ!!」
布を引いたその枝には
満開とばかりに咲き乱れた
桃色の桜の花が咲いていた
「おおぉーっ!」
「凄い!春が来たわ!」
「兄ちゃん、一体
どうやったんだ!」
観客からは大歓声!
枝を持っていた少女も
驚きの表情である!
「凄ーい!満開だ!」
「ははっ、お嬢ちゃん
協力ありがとな!
御礼にその枝は上げるよ」
「ありがとう、お兄ちゃん」
満開の枝を持ち
観客の中に入る少女
その少女の持つ桜から
花びらが一枚散り…
それを指で取り
手の平の中に包む九十九尾
そして次の瞬間!
花びらを包んだ
手の平はモコモコと動き
指の間から一匹の鳩が現れ
バサバサと飛び去った!
余りに一瞬の手品に
度肝を抜かれる観客達!
「い!!一瞬で鳩が!」
「如何、見逃した!」
「不思議だわ~
ねえ、どうやったの?」
九十九尾を囲む観客は
皆一様に驚き、笑顔を見せる
「(うん、やっぱり
この雰囲気よ、雰囲気!)
さあさ、本領は此処からだ!
見逃したら次はねえぜ
しっかり両眼を見開いて
摩訶不思議手品をご覧じろ!」
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