退屈に退屈

2/3
前へ
/179ページ
次へ
僕は、まわりに比べてわりと冷めていた。 大人っぽい、とはまた別の。 みんながきゃあきゃあ騒ぐのを、一歩ひいて眺めていた。 小さい時からそうだったから、 いつからなんて覚えてないけど。 そのまま小学校を卒業し、中学をでて、適当に進学した。 そして、今に至るのだけど。 僕は退屈だった。 毎日おなじことが繰り返されるのに飽きてきた。 ドラマのように生きたいとは思わないけど、やはりつまらなかった。 だから、死のうと思った。 別に嫌なことがあったわけでも 苦しいことがあったわけでもない ただ飽きたから、やめる。 そこに辿り着くまでにさして時間はかからなかった。 だから、翌日僕は自分の住んでいるマンションの屋上にいた。
/179ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加