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このまま話を聞いていても大して面白くなさそうね。重要な連絡事項は自己紹介が終わった後だわ、多分。
勝手な推測をして鞄から文庫本を出して読む。内容は盲導犬のノンフィクションの話。
……ベルは何て賢いのかしら。うちのウメも見習って欲しいものだわ…。
ウメは私の家で飼っている1才のゴールデンレトリバー(♀)のこと。
とっても可愛いのだけれど……少し?かなり?お転婆なのがたまにキズ…;
「おい花咲、お前は副委員長な?」
はぁ!?何よいきなり!?
全く話の流れを聞いていなかった私は、いきなりの事に眉をひそめる。
「入学早々、担任様のありがたーいお話を無視して本なんか読むからだ。」
たしかに私に落ち度はある。
この空気からして副委員長と言う名の雑用係になるしかなさそうね。
本当は図書委員になりたかった。
今年こそはと思っていたのに……
私は眉をひそめたまま「わかりました」と返事した。
真後ろの席からアンのこらえるような笑い声が聞こえた。
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