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彼は無職でいわばニート
毎日100円単位で遊んでいた
私は短大生
バイトのかけもちで月に20万近く稼いでいた
そんな彼に気を使い寒い冬の1月に京橋の野外広場コムズで1時間近く彼の先輩の
武勇伝を聞いた
たいして凄くもない武勇伝を嬉しそうに話す彼を見て正直こいつあかんわ!と思った
フェイドアウトやな!と確信し
倖「用事あるから、そろそろ帰るわ」
と伝えた
大輔「気い付けて帰りや。」
と人の気も知らないで彼は笑顔だった
今までなら、ここでフェイドアウト
でもなぜか、珍しくその後も連絡を返していた自分がいた
そして彼も根気強く連絡をくれた
【今から先輩とゲーセン行くねん】
【今な~公園おんねん】
どれも興味のそそられない会話をなぜか返信していた
2度目に会ったのは急なメールからだった
【倖に逢いたくてチャリで来てん。京橋出てきてや】
彼は野田に住んでいてチャリで来るなんて考えただけで筋肉痛になるくらいの距離だ
ただ逢いたくて...
そんな思いでこんな距離を来てくれた
お金じゃない
外見じゃない
たった1人の気持ちに動かされて私は京橋に向かった
相手を思う気持ち..
会える保証もない
なのに、会いたいから行動に出る
そんな自分には出来ない事を彼は平気な顔でやってのけた
大輔「会えた~」
そう言って彼は喜んだ
大輔「見て~倖の写真待ち受けにしてんねん!」
そう言って彼は付き合ってもいない私の写真を幸せそうに待ち受けにしていた
愛想の悪い私に始めて会った時と同じ様に大輔は笑顔を見せていた
スエットに金髪で口ピに煙草
いちびったヤンキーだけどその笑顔は好きだと思った
汚れの知らない笑顔だった
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