7人が本棚に入れています
本棚に追加
ええと。
アキラの第一声はそこから始まる。
「服を着た猫」
「オムライスの上のパセリ」
「眠る人形」
「人形焼きとベビーカステラの違い」
「信号」
「面白いか? それ」
「そっちこそ。オムライスの上のパセリって変~?」
「変だよ。変」
「ケチャップご飯の上にケチャップのがよっぽど変だと思わない?」
「ん? それは普通だろ」
これはちょっとしたゲームだ。
アキラは面白いと思う物・事を挙げる。
俺は変だと思う物・事を挙げる。
そういうゲーム。
相手につられないよう、即答のタイミングで答える。
楽しいかと聞かれれば、俺は迷わず首を傾げる。
でも、アキラには楽しいらしい。
普通に論争するよりも、ずっと楽しそうに笑う。
「これかな~」
「ん?」
俺はアキラを見た。
「お前と喋るとやなことも忘れがちなのさ」
「そりゃよかった」
無感動なのは俺なりの友愛だと思ってくれ。
「ねえ、抱っこ」
「バカ」
最初のコメントを投稿しよう!