ひまわりは夜に咲かない話

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突然の来客があったと知らされても、長靴は特に驚いてはいませんでした。 むしろなんだかとても楽しそうに鼻歌を歌いながら部屋に入り、重たい鍋を軽々と台所のコンロに乗せました。 仕事用の荷物を一通り定位置へ戻したあと、今度は着替えとタオルを持ってバスルームへ向かいます。 花屋の仕事は案外土仕事が主で、体中が泥だらけになるのです。 頭を洗い、顔を洗い、体を洗ってさっぱりした長靴は、浴槽に新しいお湯をはりました。 はりましたが入りません。 風呂からあがり、今度は台所へ行きました。 冷蔵庫をみると、ほとんど空っぽでした。 昨日管理人と副管理人を呼んで手料理を振る舞ったからです。 仕方がないので風呂上がりなのに再び外へ出ました。 駅前のスーパーまで少し歩いて、沢山買い物をしました。 7千円ほど使いました。 アパートに戻った長靴は台所で夕飯を4品作り、スープは温めます。 そこまできてようやく長靴は鞄を手に、外へでるのでした。 エレベーターを使って1階へ降りた時、副管理人のアキラに会いました。 「お出かけ? もう7時だよん」 「すぐそこだからね、大丈夫大丈夫」 アパートのエントランスを抜けて、長靴は管理人に頼んで作ってもらった花壇と畑の方へ向かいました。 花壇は一番日当たりのいいアパートの裏にでかでかと設けられています。 毎朝水やりに来ているので、花壇と畑の状態は良好でした。 「どう? 君が最後に見た時よりいい状態になったでしょう?」 長靴は花壇に向かって言いました。  
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