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――――少女は詠う――――
我、偉大なる獣が祖に告なぐ
継がれ、継がれし、偉大なる神が御霊
次がれ、次がれし、偉大なる獣が魂
天回し、地揺らし、海渦かせる神獣の御心、我が言を響かせよ
我、神が魂の紡ぎ手
我、獣が姿の紡ぎ手
我、神が時の紡ぎ手
我、獣が唄の紡ぎ手
汚れし我が体へ宿りて、我が血肉を喰らい
落ちし我が魂へ宿りて、我が心芯を喰らい
汚れし現世へと忘失せし御身を具現せよ
落ちし現世へと滅失せし御心を詠え
我は神が囚人
獣は我が主神
我は獣が詠手
神は我が神獣
我の全てが神の契り
神の全てが我が獣牙
今此処に、古より詠い紡ぎし、神なる獣との契約を交わす
我詠う、故に神あり
我捧げ、故に獣あり
神獣宿りて、故に我あり
獣が唄、我が紡ぎ歌い繋ぐ
故 我 獣
――――契り成せ――――
「だから……私の全てをあげるから……帰ってきて……お願い――――――」
――――獣我唄――――
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