人語を喋る鶴

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目を閉じている間、思考は普段より活発に脳細胞を巡礼していた。 その中で、こんなことを思った。 この世に、胸のサイズが、AAカップの女性が一体何人いるのだろうと。 実際、母親がそうだったのだが、胸=女性と認識する霜多はもう一人の父親として見て接してきた。 物心ついた頃に巨乳と貧乳の存在に気付き、街中で揺れるけしからん乳を見かけては好奇心(触りたい、吸いたい、観察したい、etc…)で心踊ったものだ。 母親の貧乳を見てきた彼は物珍しさ故に、パイマニアとして育ってしまった(現在進行形) パイマニアと言っても、無論、大きければ大きいほど好みで『貧乳はステータスだ!』などと言い張る連中の考えが理解出来ない。 ある種の精神的な病気なのではないかと思えてくるほど。 しかし、それは向こうからみても同じことで、全く同じようなことを聞かれれば『ひんぬーには出来ないコトが巨乳には出来るんだ!』と即座に反論するだろう。 巨乳派と貧乳派… 所詮は相容れぬ関係よ! …とか思ってみる。 「今日もいい乳にめぐり会えますように」 いつも通り、祖父の仏壇で場違いな祈りを願っては、瞼をいつも通りに開いた。 「じゃあ、爺さん。学校にイッてきます」
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