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「それはヘ・リ・ク・ツ・よ!」
ああ、中々話が進まない。
「誰のせい?」
可愛く微笑むカノン。マジ萌える。
ところで俺はしゃべることができず、カノンは俺の心の声が聞こえるという特殊な能力を持っている。
「他の人の心の声は聞こえないけどね」
ちなみに俺にも特殊な能力があったりする。実は手から和菓子を――
「さて話を進めようかジャージを着ているあんた」
ちょっ、主人公がジャージなんて雰囲気出ないだろうが!騎士の格好をしているに決まっているだろうが!
「いいからそろそろ話進めてよね」
あいわかった。
毎晩、カノンは俺を求めて部屋にやってくる。そして息を荒くし――
「なんの話を進めようとしてるのよ!」
しかし事実なのだから仕方ない。
「でも今の言い方だと私ただの淫乱じゃない!」
ただの淫乱には――
「いいから大事なことを早く言いなさい!」
カノンはCカップです。好きな体位は騎乗位なそうな。でも後ろも――
(しばらくお待ち下さい)
「私たちの世界は戦争ばかりな所なんですが、私とヒュムは小さな村の兵士なんです」
何事もなかったかのように誰かに説明しているカノン。ついでに兵士といっても民兵であり軍兵ではない。
「長かった……。説明は以上で終わりです。さ、先輩が呼んでるから行くわよ」
実は俺、ツインテール萌えなんだ。
謎の場所から出て、俺とカノン=俺の嫁は村の広場へと向かった。
「…………」
無言なカノン。照れてるな。
「っ!」
カノンは俺に熱い視線を送ってくる。
俺はメロメロ状態になってしまった。
俺はメロメロで技が出せない。白い液体も出せない。
「…………(赤面)」
白い液体に反応したようだ。カルピスのことなのにな。
「…………(怒)」
ああ、とりあえず説明しておこう。
この村には変な掟(おきて)がいくつかあり、その一つに『建物外で口を開いてはいけない』というものがある。
誰が作ったんだこんな掟。守ってるほうも守ってるほうだが。
うんうんとカノンが頷く。
そして広場に着いたとさ。
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