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「あっ。」
たった今自分の衝撃的なアホさを確認する。
もはやどうなったらああなるのか逆に説明が欲しいくらいだ。
「思い出した?」
早美は相変わらずおかしそうに笑った。
「なんとなく…。」
行動や姿にばかり目がいき発言に気を全く配ってなかった。
「あんたね…。」
そしていまだに曖昧な俺に対して笑いを通り越した呆れ顔の早美。
「もういいじゃないか早美。それよりちょっと話があるんだけど…。」
そんな早美を制した転校生が、真っ直ぐで真剣な目で早美を見る。
突然話が変わる。
まぁ俺ははなから置いてけぼりだが…。
「私に?何?」
何気なく笑いながら聞き返せる早美は素晴らしいと思う。
「うん。まぁ、詳しいことは後で話すから、とりあえずついてきて、あ、あと…君も。」
「…へ?」
強引に後ろの首の襟を掴まれ、椅子から引きずり出され背中を床で強打する。
「ぐわっ…痛っ。」
背骨は駄目ですよ。
危険すぎます。
「君は何をしてるんだ?ちゃんと立って歩かないといけないじゃないか。」
本気で言ってますか?
今のって俺が悪いんですか?
「いや…その…ちょっと無理です。」
「君に拒否権は無いはずだ。」
不気味に笑う転校生。
「え?」
絶対まだ朝の事を根にもってんな…。
まぁはなから常任理事国入りは期待してませんよ…。
あぁ…拒否権が欲しい。
「ねぇ雛多。どこ行くの?」
「どこって…。」
そういうと彼女は指を上に向けて、
「上。」
っと、そう一言だけ口にした。
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