第一章 結成

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「上って…。ここ最上階だぞ。」 「上といったら上だ…。」 そう言うと彼女は不適に笑い、どんどん歩いていく。 天国って落ちは無しにしような…。 「とりあえずついていきましょ。」 早美は楽しそうに笑いながら歩いていく。 まったく、こいつはどうも呑気なんだよな。 「どうなっても知らないからな。」 強引についていくしか選択が残されなかった。 とぼとぼと早美の後ろをついていく。 そんな俺の横にひょっこり人影が…。 バシッ 「ぐわっ。」 「よっ。ダイ。置いてくなんて酷いな。」 「いってぇ~。なんだ淳かよ。」 「あっ。淳。今取り込み中なんで。」 前を歩いていた早美がひょっこりもどってくる。 「なんだ。早美もいたのか。取り込み中?そっか…なら先帰ってるわ。」 「どうした?…ん?君は…。」 一番前を歩いていた彼女まで戻ってきた。 「あっ。今…雛多。…そっか。取り込み中ね。そうそう。じゃ、またな。」 急に慌てだしたかとおもうと、『帰る』もとい、逃げようとした。 「まぁ待て。」 しかし彼女は逃げようとする淳に足をかける。 「…っわ。っと。」 バランスを崩したが転倒は免れた。 「せっかくだ。君も来い。」 真っ直ぐに黒々とした目が、淳をとらえる。 「…はい。」 としか淳は言えなかった。
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