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「上って…。ここ最上階だぞ。」
「上といったら上だ…。」
そう言うと彼女は不適に笑い、どんどん歩いていく。
天国って落ちは無しにしような…。
「とりあえずついていきましょ。」
早美は楽しそうに笑いながら歩いていく。
まったく、こいつはどうも呑気なんだよな。
「どうなっても知らないからな。」
強引についていくしか選択が残されなかった。
とぼとぼと早美の後ろをついていく。
そんな俺の横にひょっこり人影が…。
バシッ
「ぐわっ。」
「よっ。ダイ。置いてくなんて酷いな。」
「いってぇ~。なんだ淳かよ。」
「あっ。淳。今取り込み中なんで。」
前を歩いていた早美がひょっこりもどってくる。
「なんだ。早美もいたのか。取り込み中?そっか…なら先帰ってるわ。」
「どうした?…ん?君は…。」
一番前を歩いていた彼女まで戻ってきた。
「あっ。今…雛多。…そっか。取り込み中ね。そうそう。じゃ、またな。」
急に慌てだしたかとおもうと、『帰る』もとい、逃げようとした。
「まぁ待て。」
しかし彼女は逃げようとする淳に足をかける。
「…っわ。っと。」
バランスを崩したが転倒は免れた。
「せっかくだ。君も来い。」
真っ直ぐに黒々とした目が、淳をとらえる。
「…はい。」
としか淳は言えなかった。
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