序章 出会いの必然性

2/6
18人が本棚に入れています
本棚に追加
/290ページ
運命の出会いってよく言う。 この場合の『運命』は偶然性を言っているのか、必然性を言ってるのかわからない。 そしてよく「運命は決まっていることだ。」って言う人もいる。 確かに…俺もそう思っていた。 でも…。 果たしてそうなのだろうか…。 なら…。 誰が…もしくは何が決めたんだ? 運命を決めているのは何なんだ? 神様? 仏様? 天皇陛下? そんなわけないよな? きっと全ての人は頭では理解してるんだ。 心のどこかで…この世の仕組みを理解している。 神様などといった非現実なものをあると信じるのは…ただそれを心の拠り所にしているだけ…。 「私運命って馬鹿らしく思うの…。」 この言葉を俺に言った少女…。 無茶苦茶で何をとっても優れてる…でも…普通の子と変わらない…ただ不器用で優しすぎる…そんな少女。 俺もこの少女の言葉を聞くまでは、運命だから仕方ないって思ってた。 決まってることだから…。 今思うと馬鹿げてる。 だだ進むことを恐れ、逃げる者の言い訳に過ぎない。 だから今なら言える。 この世に偶然で成り立つ運命なんてないんだ。 自分…もしくは自分に関係する何かが決めた上で起きるべくして起きた結果があるだけ…。 そう必然で成り立つ運命しかない。だからさっきの答えは…本当は知っている。 運命の出会い。 それは…。 出会うべくして出会う…必然性の出会い…。 .
/290ページ

最初のコメントを投稿しよう!