第一章 結成

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「お~い。大助。君は何をぼーっとしてるのかな?」 「…おぉ。早美。」 一日中神経をすり減らし、疲れきっていた俺に話しかけてきたのは、もう一人の腐れ縁である存在の池田早美(いけだ はやみ)である。 のんびりと楽しそうにたずねてくる。 「帰んないの?」 そしてどこか心配そうに俺の顔を覗きこんでくる。 「え?あぁ…そうだな…。かえろっ…って、うわっ。」 立ち上がったとたんにガタンと後ろにいた人にぶつかった。 「…っつてて、ごめん…ってうわ。」 後ろを振り返って心臓が止まりそうになる。 二度目だった。 神様ももう少し穏便にことを進めて欲しいものだ。 「…君はぶつかるのが好きなのかな?」 そこにはもちろん転校生今倉雛多がいた。 顔には不敵な笑みを浮かべている。 放課後ということで油断した…無念。 「い、いやっ。そういうわけじゃ。」 俺が慌ててると横から早美が彼女に話しかけた。 「あれ?今倉さん大助と知り合いだったんだ。」 「うん。朝ちょっとね。それに早美、私は雛多でいいと言ったろ?名字嫌いなんだ。」 「あは。ごめんごめん。」 親しげに謝る早美。 この二人こそ今日会ったばっかりなのに仲良しだな。 「お前らこそ仲良いな。」 「え?だって…お昼一緒だったしね。」 そう言うとおかしそうに笑った。 ふ~ん、なるほど、お昼を通じて仲良くなるとはな…。 まぁ早美はなかなか話しやすい奴ではあるが…。 「っというと、君は覚えてないんだな?。」 「へ?」 その言葉は何を意味してんだ? 「どうりで心ここにあらずみたいな気がしたんだ。」 早美がおかしそうに笑う。 一体何だってんだよ…。 .
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