第三章 大の字

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午後からの授業はいつも通り…と言っても雛多が隣にいるから居眠りはできなかったが、とりあえず終わった。 まったくもって安眠妨害甚だしい奴だ。 早く席替えの日来ないかな…。 俺がぼんやりそんなことを考えてると担任がHR(ホームルーム) の終わりを告げ、放課後になる。 「君…足は大丈夫か?」 雛多が未だに心配そうに尋ねてくる。 まったく、心配しすぎだっての。 「大丈夫大丈夫。心配ご無用。」 「そうか…。なら…取り敢えず一回部室に集まってくれ。」 言葉では納得してるようだが、まだ不安とやらが抜けないのか、本調子ではない。 「なぁ雛多…。」 だから少し本調子に戻してやっか。 「ど、どうした?」 「約束…覚えてるか?」 俺はあえて悪戯っぽく笑った。 だって結構恥ずかしい約束だったからな。 「むっ…なんのことかな?」 雛多が恥ずかしそうに顔をそらす。 なるほど…しらを切るならもう少しからかいたくなる。 「ほう、ならあの時のことをじっくり…。」 話してやろうか?と続けようとしたら雛多に遮られた。 「あぁ。思い出したぞ。今回のことで副部長は部長に大変なる心配をかけたので自らペナルティを受けますってことだったな。」 …な、何て奴だ。 強引極まりない。 だが雛多。 まだ甘いな。 俺はからかうなら徹底的にからかうたちでね…。 .
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