第四章 婉曲な気持ち

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あの日の帰り際。 雛多があることを言った。 「次の休みの日。私の家に来て欲しいんだ。せっかく黄昏部作ったのにお祝いしてないだろ?だから新設パーティーしたいんだ。」 と、幼い子供のようにキラキラした目で…。 さっきまで松葉杖とったことをガミガミ怒ってたのにな…。 そして今日がその『次の休みの日』に該当する。 玄関を開けると雛多以外のメンバーがいた。 俺以外は雛多の家に行ったことなかったので取り敢えず俺んちの前に集合したのだ。 「おせぇぞダイ。」 淳が文句をたらす。 元気になったが…もう少し大人しいままでもよかったかな。 「あんたも今きたところだけどね。」 突っ込む早美。 手慣れたものだ。 「偽装操作。」 西牧が呟く。 なるほど、早く来たように見せかけたわけね。 「なっ。西牧まで…。」 「工藤くんがいないの見て安心してましたしね。」 坂本さんまでもが追い討ちをかける。 「ぐっ。俺に味方はいないのか。」 「はいはい。もういいから行きましょ。」 適当に淳を無視して歩きはじめる俺。 「…やっぱり雛多さんの家は大きいんですかね。」 坂本さんがさりげなく呟く。 「あぁ。庶民ではなかなか手が出せないような高級マンションだった。」 これは純粋な俺の感想。 「やっぱ今倉財閥は違うわねぇ~。」 早美がのんびり呟く。 こいつがこんな風に喋ると何か楽しげなことに聞こえる。 「禁句。」 そして西牧が制止した。 「あ、そっか。雛多は自分の家のこと好きじゃなかったのよね。」 早美はしまったという様に手を口にあてる。 「なんで嫌いなんだろ?俺だったら贅沢三昧できたら言うことないぜ…。」 淳は羨ましそうに呟く。 「お金じゃ手に入らないものがあるだろ?」 少しはまともなことを呟く俺。 「あはっ。貧乏人のひがみね。」 早美が笑う。 「ははっ。違いねぇ。」 つられた淳も笑う。 「ふふっ。そんなことありませんよ。」 そんな二人を見て楽しげに笑う坂本さん。 「プライスレス。」 西牧の表情は未だにわかりにくかったが、楽しんでいるように感じた。 そんな感じにあれこれとたわいのない話をしながら歩いた。 あとから振り返ってみても特に笑えるような話しでもない。 …そうだよな? .
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