第四章 婉曲な気持ち

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エレベーターに乗り、三階のボタンを押す。 「あの装飾品高そうね。」 「シャンデリアなんてはじめて見ました。」 「鹿の頭とかマジで飾ってるもんなんだな。」 「桃源郷。」 中に入ってからそれぞれ思い思いの感想をのべる。 まぁこれだけ豪華なら無理もないな。 しかしあの鹿の頭は剥製だよな? 本物の鹿の頭を切ってそのまま何もせずに飾っていたらかなりグロいぞ。 そして雛多の住む高級マンションへの感想を言い合っている間にエレベーターが三階につく。 三階に着いた俺たちはそのまま雛多の部屋である三〇二号室に向かう。 そして雛多の部屋の前に立つとまた少しテンションが上がり気味だった。 「頑丈そうなドアね。」 「この装飾品は無駄じゃないか?」 「ドアノブが金です。」 「ジパング。」 …はいはい。 ドアだけでそんなにテンション上がるとこじゃないだろ。 俺はそんな他の部員達の発言を軽く無視してインターホンを鳴らす。 次はあんな面倒なことにならないように気をつけねば…。 「はい。」 「工藤大助とその他の黄昏部部員たちです。」 「ふ~ん、大助のくせに学習したのね。」 「大助のくせにって…人間は学習する動物だからな。」 「学習なら猿でもできるわ。ま、いいわ。今開ける。」 一々一言多いやつだな。 素直に開ければいいのに。 .
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