第四章 婉曲な気持ち

7/17
前へ
/290ページ
次へ
「あ、これ皿反対だ。だからあれはこっち側…って、あれ?もうない。」 あれが何なのかよくわからんが、俺がとったのと反対側のコロッケをとったやつなら知ってるぞ。 西牧だ。 「おい雛多。それならさっき西牧が…。」 「えぇ!?一与が!?」 そして西牧を見る俺と雛多。 そこには中が明らかに他より赤いあのコロッケを平然とパクつく西牧が…。 「辛くないのかな?」 そんな馬鹿な…。 あの辛さはとんでもない辛さだぞ。 舌が麻痺してない限りあの辛さにあえがない奴はいない。 そしてピクリと西牧が止まる。 俺と雛多はそんな西牧の様子を恐る恐る観察していたんだが…。 「…辛い。」 !!!!!!!!!! 目に涙を浮かべ、一言そう言った西牧に驚き慌てる俺と雛多。 「お、おい。どうすんだよ。」 「と、とりあえず水ぅー。」 そう言って雛多は台所にかけて行った。 .
/290ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加