プロローグ

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灰色の景色。全てが灰色だ。確か、モノクロっていうんだったよな?とにかく、目に入る全て……テーブルとか、イスとか、つけっぱなしで、砂嵐が映っているテレビも、みんな灰色だ。 その時の俺は、変な音がしたから、目が覚めた。まだ眠いけど、音の招待が知りたくて、隣の部屋まで歩いていた。力が入らなくて、ヨロヨロとした歩き方になっていたのを、今も覚えている。 ゴキッ、グシャ、ゴキッ…… 隣の部屋にある、障子の隙間から見えた光景に、俺は言葉を失った。 父さんが、母さんの頭を金属バットで叩いてる…… それからどうなったのかは覚えてない。隣の家のオバサンに聞いた話だと、俺がオバサンの家に行って、警察を呼んでもらったあと、気絶したらしい。 ある意味、変なところは強いんだなって、今さらながらに思う。
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