渇望

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 少女は王女だった。  身分はすこぶる高かった。  出る料理はいつも長テーブルを埋めるほどの豪華なもの。  入る風呂は召し使いの並ぶ大浴場。  寝るベッドはキングサイズの、少女の体に合わないもの。  贅沢だった。  なんでも望めば手に入った。  でも。  王女は自分がしあわせだとは思っていなかった。
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