1437人が本棚に入れています
本棚に追加
どうしよう、という言葉がぐるぐる回ったまま、控室に戻ると真吾君が来てくれていた。
私へのお祝いなのだろう、花束と小さな包みを持っている。礼装姿、カッコイイ。こんちくしょう。
でもそれより、聞かなきゃいけない事と、言わなきゃいけない事がある。
「お疲れ様でした。和歌子さん。壇上の貴女は、とてもカッコ良かったです」
「ありがと」
「三輪さんが来たんですね?」
「そうよ」
また私の心を読みやがったな。
「俺がヒロイに出向している事と、上川整形外科の事、三輪さんから聞いたんですね? 顔に書いてあります。どうして黙っていたのって」
「解っているなら、さっさと答えてよ! どういうつもりなの? 素性も明かさず私に近づいたの?」
「素性を明かす事は禁じられていましたから。社内秘です。すみません」
「誰にも言わないわよ、そんな大事なコト! どうして・・・・今まで黙っていたの?」
最初のコメントを投稿しよう!