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「まあ、社内秘というのは建前です。本当は、一個人の俺を見て欲しかったから。和歌子さん、俺がそんなところの息子だって知ったら、好きになってくれましたか? 敬遠したハズですよ。貴女の性格は、よく解ってる」
「でもっ・・・・隠し事なんてイヤ!」
「それについては謝ります。黙っていてすみませんでした。でも、今言った通りですよ。俺が最初から上川美容整形外科の息子だって知っていたら、貴女の心に、俺は入れて貰えなかった」
「そんなのわかんないじゃない! バカっ! 勝手すぎるよ!!」
こんな大切な事を黙っていられた挙句、それを三輪さんから聞いたことに腹が立った。
「これだけ好きになってから、実は御曹司でした、とか言われて、私はポイされるワケ? ホント、最低よ!! バカっ、顔も見たくないっ」
「和歌子さん、俺がそんな事すると思っているんですか?」
「フツー思うでしょ! 上山美容整形外科なんて、超一流企業じゃない。パンピーの私と、そこの御曹司がどうこうなるって? あはは。笑っちゃう」
「あはは、じゃありませんよ。俺は貴女の事、ホンキなんですけど」
言うが早いか、真吾君は私に近寄ってきた。持っていた花束を傍のテーブルに置いて、更に私に詰め寄る。
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