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「隠し事していてすみませんでした。和歌子さんはそんな人じゃないと判っていても、今まで付き合った女性は、俺の素姓知ったら目の色変えるか、束縛するかどっちかになるんです。俺の家柄だけに興味が行ってしまうから、恋愛凝りたって、前に言ったでしょう? だから、和歌子さんには・・・・言えなくて。貴女がもし俺じゃなくて、家柄に興味もたれたり、そのせいで離れたらって考えたら・・・・怖くて。本当にすみません」
深々と頭を下げられた。
「・・・・も、いいよ」
私を騙してやろうとか、信用してないからとか、そんな理由じゃなくて安心したので、黙っていたことについては赦す事にした。
「えっ!? じゃあ俺のプロポーズ受けて――」
「受・け・ま・せーん!!」
「なんでっ!?」
ふふっ。笑顔が凍り付いてチョー焦っているわ。
ざまあみなさい。悪魔真吾!
最後の最後で、ギャフンと言わせてやったわ。私の勝ちね!
私は真吾君のネクタイを引っ掴んで、自分の背丈まで屈ませた。「私を怒らせたバツ。結婚はおあずけよ」
「・・・・恐ろしい女ですね、貴女は。俺のコト、好きなクセに」
うっ。それは今のところ否定できないけど。
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