1406人が本棚に入れています
本棚に追加
/324ページ
翌日。出勤時間前。
私は、エレベーターホールで職場のフロアに行くために、エレベーターを待っていた。
しかし、仕事の事なんて勿論頭にあるわけがない。頭に浮かぶのは、三輪さんのことばかりだ。
今日も三輪さんとデートできるかと思うと、顔が緩んでしまう。
おっといけないわ、和歌子!
気を引き締めなくっちゃ!!
チーン、という音と共に、ホールにエレベーターが到着したので、そのまま何も気にせず乗り込んだ。
「和・歌・子・さん」
エレベーターに乗って間もなく、名前を呼ばれた。
鼻歌でも歌うように語りかけてくるこの声は・・・・!!
「出たなっ、悪霊、上山真吾!」思わず睨んでいた。
「悪霊? 俺はそんなカワイイもんじゃありませんよ」しかし、ヤツは笑顔で受け流す。
さらっと言うな、さらっと!!
アンタは悪霊よりタチ悪いんかい!
最初のコメントを投稿しよう!