Office03・知れば知るほど

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  「ちょっと、やめてよ! もうっ、真吾君――」  バタバタ騒いでると、私達の職場のフロアの方から、三輪さんが歩いてくるのが見えた。「ちょっと、ちょ、真吾君! 離して! 離してったら!! 三輪さんに見つかっちゃうじゃないの!」  けど、真吾君は離すどころか、ニコニコ笑顔をむけたまま、三輪さんに大声で挨拶した。「三輪さーん、おはようございま―す!」  真吾君の大声に三輪さんが振り返る。「おっ、上山か。おはよう」  三輪さんが近寄ってきた。止めてっ、来ないで――――!! 「久遠時君も一緒だったのか。おはよう。二人は仲がいいんだね」 「ちっ、違――」 「そうなんで―す! 俺、和歌子先輩の事、メチャ尊敬してるんですよ―」顔は笑っているが、目はかなり挑発的な視線を三輪さんに送っている。 ――妻持ちが、俺の好きな女にちょっかいかけてんじゃねーよ、的なオーラ。  
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