Office03・知れば知るほど

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  「そうなのか。それじゃあ久遠時君にしっかり指導してもらえ」  三輪さんは私に、よろしく頼む、と微笑を寄越し、その場を去っていった。  狼狽も、嫉妬の色も、何も見せずに。  ・・・・そりゃ、そうよね。  限定デートだって、別に火遊びなんかのつもりでもないし、ましてや三輪さんが、私とどうこうなろって目的のお付き合いでも、何でもないんだし。  私一人で浮かれて・・・・なんか、バカみたい。 「離してよっ!!」 「ちょっと和歌子さん、待って。今はまずいですよ」  真吾君は私の目を軽く抑えて、給湯室の方へ連れて行ってくれた。  幸い誰も居なかった。 「ゴメン、和歌子さん。泣かせるつもりじゃなかった」 「泣いてないわよっ!!」  怒鳴った拍子に、目にいっぱい溜めていた涙が、ボロボロと零れ落ちた。  ヤダ。知らないうちに、涙出てたんだ。  恥ずかしい。
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