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次の日、お母さんには、もう治った。とだけ伝えた。
お母さんは、半泣きになりながら安心していた。
それから僕は、白い物体と常に行動した。
最初は、視界にいるそれが邪魔で仕方なかったけど、数年もすれば、あっさりと慣れてしまった。
「ちょっと、もう時間だよ!いつまで寝てんの?」
小学生になった僕は、毎朝、兄とも姉とも呼べないような声に起こされ、居間へと向かう。
「私が起こさなくてちゃんと起きられるのね。偉いわ。」
お母さんに、頭を撫でられる。
…ホントは、僕が自力で起きてるわけじゃないんだけどな。
そんな事を思っていたら、白い物体は「自分の手柄にしちゃえ」とか言っていたので、僕はずっと黙っていた。
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