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馬飼はそう言い、コップを奪い取ると、冷水を注いでアルコールを一気飲みするかのようにゴクリと飲み込む。
それを笑いながら見ていると、ふと横で店員が注文した料理を持ってくるのが目に入った。かのラーメン屋おすすめ料理、味噌ラーメン(三百円ナリ)が届けられた。
「まあ、続きは飯食いながらにしよう。はい、箸」
投げた分とは別に、残しておいた箸を馬飼に手渡す。
「ん、悪いな。……ただ、とにかくな。彼女が欲しいわけなんだよ。俺は」
「よく言うよ」
胡椒を強く振りかけながら、返答する。
「何だって、そんなに彼女が欲しいのさ。別にさぁ、そんなに頑張らなくても自分とゆるい高校生活を送るのもいいじゃん」
まったく何でさ。
そう聞くと、何故か馬飼がばつの悪そうな顔をして、視線を逸らしてきた。
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