前哨戦

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 そこに大学生くらいだろうか、若い店員さんが注文をとりにやってきた。  だが、馬飼の様子に不思議そうな顔を浮かべている。  ……そっとしてやってください。ひっそりと心に願う。 「なあ、あんたもそうなんだろバイト君っ! あんたの得られる給与は、男の稼く低賃金を遥かに超えているんだろっ!! 」  馬飼がやけにキラキラと輝いた顔を店員に向けた。店員は突然の振りに困った表情を浮かべる。  前言撤回。可哀想なんかじゃない。  そっとするんじゃなくて、断固無視の方針でいってください。  こいつは。  他人にすんな、それは。この人新人さんだろうし、まだここに慣れていないんだろうから。  それに、雇用情勢は未だに男性優位が続いているだろ。法改正とかが行われて昔よりは平等になってはいるだろうけれども、実際のところ、罰則規定がなかったりして以前として問題は山積みだろうし。  ったく。  どーしよーもないところは、どーしよーもない。
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