序章─独り─・前編

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自分のことを振り返ると運命という言葉を使いたくなる。 この生まれつき持っている心を読む能力は、まさに幸せという感情が無い自分のためにあるかのようだ。 この奇妙な偶然を運命と呼ばずして何と呼ぶ。 私はこの数年間、占い師としてこの奇妙な能力を使い、自分の本当の幸せを探しているが、未だ理想のものは見つからない ──さて、今目の前に座っているこの少年は、どのような幸せを持っているのだろうか?──
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