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「最近ち、ちょっと──」
私はスッと手を出し、この客──小安が言おうとするのを遮る。
「言わなくてもわかるんで別にいいです」
「わかるって……」
小安も普通の客と同じような、疑問に満ちた微妙な顔をする。
まあ、当たり前だが。
「これからあなたの占ってほしいことを正確に知るため『心』を覗かせてもらいます。
なので言う必要はありません。
しかし、心を覗くということは、あなたの人生や考えを、ある程度見させていただくことになりますが、よろしいですか?」
「……はあ、別に構いませんが」
バレないように勝手に心を読むことも可能と言えば可能なのだが、泥棒みたいな感じがして不快なので、一応了承を得ておく。
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