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絵を置き、振り返って回りを見渡すと、自分の背丈を超えるほど高い本棚があり、その中には漫画喫茶よろしく、ギッチリとマンガが詰められている。
足元に落ちているゲームなどといい、一人で遊ぶのが好きなようだ。
そして、本棚のとなりにあるタンスの上には、家族と思われる写真がある。
『思われる』というのは、その写真は、目のあたりだけぼかされていて、はっきりしないのと、小安の身長からして、恐らく数年前のものだからだ。
その写真には、父親に母親、小安本人が仲良く並んで、皆笑顔でいる。
写真から目を離し、一通り部屋の中を見るが、この人の『幸せ』や、今回相談したい内容の原因などは見つからない。
幸せの無い、人の心を見るのは、まるで自分の心を覗いているようで、ものすごく不快だった。
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