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男子たちのいない廊下は、一気に静かになった。
私は全身の力が抜け、ヘニャヘニャと床に座った。
私……助かったんだ…。
よかっ…た…。
安心感で、涙がポロポロと流れた。
「おい、泣いてる場合かよ。」
私を助けてくれた人が、こちらを向いた。
すごく背が高くて、私は顔を上げた。
「礼とか、ないわけ?」
私はハッとした。
「ごっ、ごめんなさい…!!あの、ありがとうございました…っ!!」
私は慌てて立ち上がり、ペコペコとお礼をした。
「それだけ?」
男が真剣な顔をして、ズイッと近づいけきた。
「えっ…!?えと…お茶…とか?」
私は一歩、また一歩と、男が近づく度に後ろへ下がった。
「んなもん、いらねーよ。」
ダンッ…
私の頭が壁に当たった。
え……。
まさか、行き止まり…?
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