1章 浦島太郎

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  家へ戻った浦島太郎 はてさて、家は何処行った 母親の姿も見あたらぬ あるのは広がる更地ばかり   家の場所を間違えたかと 辺りを見渡してみれども 自分の家、見つからぬ 母親の姿も見あたらぬ   困り果てた浦島太郎 浜辺に居た漁師に聞いた あの家の者の居所を   漁師の答えた話では 浦島太郎という名の男 500年前に姿消した 魚釣りに行ったきり 姿を消したそうな   なんとまぁ、びっくり 竜宮城で過ごした5日間 こちらの世界では 500年の月日経っていた   漁師の話の続きでは 息子を無くした母親は 悲しみのあまり病に伏せて 悲しみのあまり寝たきりに とうの昔に亡くなったと   漁師の話聞き 浦島太郎は悲しんで はらはらと涙流した   500年という長い月日経ち 愛する母親亡くし 自分を知る者も居ない 可哀想な浦島太郎   しばらく泣き明かし ふと玉手箱を思い出した 中には何が入ってるやら 気になり玉手箱、開けてみた   玉手箱のふた開けてみれば 出てきたのは白い煙 甘い芳しい香り放ち 浦島太郎を包み込んだ   若者の姿消え 現れたのは白髪の好々爺 浦島太郎の老いた姿   白い煙消えもせず 老いた浦島太郎、包みこむ 白い煙に包まれながら 老いた姿は灰となり たちまち消えてしまったそうな   老いた姿から灰になり 消えてしまった浦島太郎 気づけば元の若い姿 あの助けた亀につれられて 竜宮城へと戻っていった   そしていつまでも常世の国で 乙姫さまと幸せに暮らしたとさ   。*゚*。*゚*。*゚*。*゚*。*゚*。*゚*。*゚*      
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