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【ありがとう
壊れるまで歌わせてくれて
これで約束が守れたわ】
ガシャ、と人形(ララ)は少年…、いや、少女の腕に倒れた
その言葉と共に…
あぁ、これで二人は幸せになれたのだろうか
「…おい?どうした」
歌が止み、アレンがララの元へ向かってから大分時間が経つ。付き添っていたファインダーのトマに、半ば無理矢理様子を見に来させられると、その少女は泣いていた
「神田…、それでも僕は、誰かを救える破壊者になりたいです」
「……それでお前が犠牲になるのか?また泣くのか?」
「……や…っ」
涙を拭う手を引き、俯く顔を上げさせようとするが、それどころか更に落ちる視線
膝を付き、顔を背け続ける彼女を緩く抱き込んだ
「…見ねぇから今のうちに泣いとけ」
コクン、と頭を縦に振ると、服の裾をきゅっと掴み小さく声を漏らす
それを確かに、愛おしい、と感じた
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