112人が本棚に入れています
本棚に追加
それが、普段の彼と違う気がした
ゆっくり、あやすように背を叩くなんて、初めて出逢ったときとも、任務を言い渡されてからの彼とも、彼の型に全く嵌まらなかった
違う、今に始まったことじゃない
見捨てると言った彼が、自分を助けた
「な…で、助けたの」
「あ?」
「リバウンド…した時、なんで…、見捨てるって言ったのに…」
「知らねぇけど、…ただ…失くしたくないと思っただけだ」
ただ、それだけのことだった
「だから…なんとなく…だ」
「うん…ありがと…」
それで充分だよ?
ああ、小さな優しさに触れて気付く
僕、あなたが……
愛おしいと思ったのは、多分こいつが…
きっとこれは、好き、という感情
触れるたび、あなたを一つずつ知っていく
触れるたび、閉じ込め切れない想い
「…かん…だ」
「…あ…?」
「あのね、僕……」
暖かい腕の中見た
柔らかく笑んだ表情
ねぇ、神田、これは夢かな…ぁ?
【あのね、僕……、多分ね、神田が好き】
「つか…多分ってどうゆうことだよ?」
あらら、ちょっと苦労しそうな予感?
END
最初のコメントを投稿しよう!