マテール

3/3
前へ
/9ページ
次へ
それが、普段の彼と違う気がした ゆっくり、あやすように背を叩くなんて、初めて出逢ったときとも、任務を言い渡されてからの彼とも、彼の型に全く嵌まらなかった 違う、今に始まったことじゃない 見捨てると言った彼が、自分を助けた 「な…で、助けたの」 「あ?」 「リバウンド…した時、なんで…、見捨てるって言ったのに…」 「知らねぇけど、…ただ…失くしたくないと思っただけだ」 ただ、それだけのことだった 「だから…なんとなく…だ」 「うん…ありがと…」 それで充分だよ? ああ、小さな優しさに触れて気付く 僕、あなたが…… 愛おしいと思ったのは、多分こいつが… きっとこれは、好き、という感情 触れるたび、あなたを一つずつ知っていく 触れるたび、閉じ込め切れない想い 「…かん…だ」 「…あ…?」 「あのね、僕……」 暖かい腕の中見た 柔らかく笑んだ表情 ねぇ、神田、これは夢かな…ぁ? 【あのね、僕……、多分ね、神田が好き】 「つか…多分ってどうゆうことだよ?」 あらら、ちょっと苦労しそうな予感? END
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

112人が本棚に入れています
本棚に追加