お仕事、しませんか?

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―――春。 うっすらとピンクに色付いた桜の花びらは、盛りを過ぎ、柔らかい風に寄り添って散る。 暖かい日差しが降り注ぎ、街行く人々の足も、心なしか軽い。 そんな中、街に溢れる爽やかな春の陽気に似つかわしく、避けて通りたくなるような禍々しい空気を放つ女が1人。 この物語の主人公、春日環【カスガタマキ】である。 彼女を取り巻くよどんだ空気の原因は、つい数時間前の出来事である。 .
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